筋トレの効果を最大限にする、食事のコツとは?
- 2016/6/22
「たくましい筋肉をつけたいっ!」「引き締まったカラダを手に入れる!」「美しくシェイプアップしたいっ!」
筋トレ計画の読者の皆さんも、自分の理想とするカラダがありますよね?
そのために、当然筋トレは重要です。そして、筋トレの効果をできるだけ大きくするためには、トレーニング後の食事が大切です。せっかく良いトレーニングをしても、栄養がきちんと摂れていなければ、逆効果になってしまうこともあります…。
着実に筋肉をつけて、トレーニングの成果を最大限に引き上げる、食事のコツについてお話します!
目次
筋トレの効果は、栄養が決める
「毎日頑張ってトレーニングしている。でも、思うような成果が出ない…」そんな風にお悩みの方も、少なくないと思います。でも、せっかく筋トレを続けているなら、「よっしゃぁ!」と思えるような成果が欲しいですよね。
そんな悩めるあなたに、筋トレ計画から、ひとつご提案があります。それは、「食事を見直してみよう!」ということです。
筋トレすると、エネルギーがたくさん使われます。減ったエネルギーを補充する時に、特に大事なのが、タンパク質と炭水化物です。まずは、この2つの栄養をしっかり摂ることを考えましょう。そうすれば、筋肉もしっかり育ち、トレーニングの成果も出てきます。もちろん、タンパク質と炭水化物以外の栄養も大事です。栄養バランスのよい食事についてもお話しますので、どうぞ最後までご覧ください!
筋トレの後の食事が大事な理由
筋トレをすると、筋肉の繊維が壊れます。その傷ついた筋肉が回復する時に、以前よりも大きくなろうとします。これは「超回復」と言われる働きです。筋肉を上手く成長させるためには、この「超回復」をしっかり理解しておく必要があります。
その「超回復」をするためには、栄養が必要不可欠。高い成果を挙げるために、これから「筋トレ」と「食事」の関係についてご説明していきます。
筋トレの効果を高める食事のメニューや摂るべき栄養は?
筋トレ後に摂るべき栄養は?
カラダを動かすため、生きるためには、エネルギーが必要です。筋トレ後にも、筋肉にとってエネルギーになる栄養素を摂ることが大切です。
筋トレをすると、糖質がたくさん使われます。まず、この糖質を補給しましょう。ダイエットをしている人は、「糖質は良くない!」と考える人が多いのですが、これは間違い。糖質を摂らないと、筋肉を上手く作ることができません。
糖質を摂ると、「インスリン」が分泌されます。インスリンは、栄養を送る「運び屋さん」です。筋トレの後にタンパク質だけを摂っても、インスリンがなければ、タンパク質をカラダや筋肉に送ることができないんです。
また、「糖質とタンパク質を両方きちんと摂った人の筋肉が、しっかりと大きくなる」ことを調べた研究もあるんですよ。
筋肉という組織は、タンパク質で作られています。タンパク質は、筋肉の原料と言えます。だからもちろん、タンパク質が少ないと、筋トレをしても筋肉がつきません。プロテインには、良質なタンパク質が含まれているので、筋トレの効果を高めるためには、ぜひ摂るべき栄養なんです。
その他にも、ビタミンとミネラルも積極的に摂りましょう。例えばビタミンCは、血液中の一酸化窒素を増やして、血管を拡張してくれる働きを持っています。血管が広がると、血液を通って筋肉に運ばれる栄養も増えます。
また、筋トレの後は、エネルギーを多く使って、カラダの免疫力一時的に弱った状態になります。そのため、免疫系をサポートするミネラルやビタミンの摂取は大切です。タンパク質ばかりに注目がいきがちですが、バランス良く栄養を摂りましょう。
筋トレの後、食事を摂るタイミングはいつが良い?
筋肉が付きやすい「2つのゴールデンタイム」をご存じですか?
1つめのゴールデンタイムは、食後30分以内。
筋トレの後は、壊れた筋肉が回復するタイミングです。30分以内にタンパク質などの栄養を摂取するれば、筋肉の回復を上手くサポートできて、効率良くカラダに吸収されます。タンパク質以外にも、糖質やビタミンなど、バランス良く栄養を摂りましょう。
「わかった。でも、30分以内ってハードル高い!」。そのような人にこそ、プロテインがおすすめです。持ち運びしやすいサイズのプロテインもありますし、ビタミンなど他の栄養が含まれた商品もあります。30分以内にタンパク質や栄養を補給するには、プロテインやサプリが良いですね。
もうひとつのゴールデンタイムは、「寝る前」。
寝る前にタンパク質を摂る。これも、筋肉をつけるのに良いタイミングなんです。その理由は、寝ている間は、成長ホルモンが分泌されるから。成長ホルモンは、タンパク質を吸収して、筋肉を増やす役割があるんです。つまり、成長ホルモンが多く出る就寝中にタンパク質を吸収させれば、筋肉がつく!というわけです。
ただし、寝る前の食品の摂取は、胃に負担がかかりますよね。ここでもプロテインが役に立ちます。おすすめは、ソイプロテインとカゼインプロテインです。ソイプロテインは、植物性でヘルシーです。カゼインプロテインは、吸収速度が遅いのが特徴です。そのため、ゆっくりと、時間をかけて、しっかりタンパク質を吸収することができます。
筋トレの後に最適な食事のメニューは?
筋トレの後には、タンパク質だけではなく、糖質が大切だとご説明しました。糖質の中でも、筋トレの後30分以内に吸収されるのは、「単糖」です。「単糖」とは、それ以上分解できない最小の単位の糖質です。といっても、よくわかりませんよね…汗。食品で言いますと、はちみつやフルーツです。筋トレをしている人で、ドライフルーツを食べている人がいるのは、単糖だからなんですね。
もちろん、炭水化物でもOKなのですが、単糖のはちみつやフルーツの方が望ましいですね。
また、タンパク質は、「高たんぱく・低カロリー」のものが最適です。肉では、「ささみ」や「胸肉」「赤身」。魚では、「カツオ」「マグロ」「アジ」など。「豆腐」や「納豆」もおすすめです。魚の脂には、DHA・EPAが含まれているので、筋トレにも効果があります。(DHAやEPAは、タンパク質の合成や、脂肪の燃焼に効果があります)
食事メニューとしては、野菜や海藻なども食べて、ビタミンやミネラルも摂取しましょう。さまざまな栄養が、お互いに影響して相乗効果が生まれ、筋肉をつくってくれます。
タンパク質を多く含む食品は?肉類
鶏肉のささみ
鶏のささみは、筋トレやダイエットをする人に人気のお肉ですよね。「高たんぱく・低脂肪」の見本のようなお肉です。消化吸収も良いため、胃腸への負担もかかりません。また、タンパク質の合成や分解に必要なビタミンB6も多く含まれています。
100gあたりの栄養素
・エネルギー 105kcal
・タンパク質 23g
・脂質 0.8g
(参考:文部科学省「食品成分データベース」。以下同じ)
鶏のむね肉
ささみと同じように、ビタミンB6が含まれています。疲労回復にも効果ありのお肉です。皮なしがおすすめですが、皮にはコラーゲンが含まれています。コラーゲンが不足すると、筋肉を作るためのタンパク質がコラーゲンに使われてしまうリスクがあります。また、コラーゲンは筋肉をしなやかにしてくれます。
100gあたりの栄養素(皮付き)
・エネルギー 145kcal
・タンパク質 21.3g
・脂質 5.9g
豚ヒレ肉
豚肉は、疲労回復の効果の高いお肉です。とくにヒレ肉にはビタミンB1が多く含まれ、筋肉痛を和らげたり、疲労回復に役立つ栄養素です。糖質の代謝を促してエネルギーを補給してくれます。
100gあたりの栄養素
・エネルギー 112kcal
・タンパク質 22.7g
・脂質 1.7g
牛ヒレ肉(輸入牛)
アメリカンビーフやオージービーフなど、海外の牛肉がおすすめです。国産は脂質が高く、筋トレ向きではありません。逆に輸入牛肉は赤身が多いです。
赤身のヒレ肉は、グリル(焼く)にすると余分な脂質が落ちるので良いですね。
鉄分も多く含まれています。
100gあたりの栄養素(輸入)
・エネルギー 133kcal
・タンパク質 20.5g
・脂質 4.8g
ラム(羊肉)
ラム肉も低カロリーで、脂肪燃焼の効果もあります。その理由は、L-カルニチンにあります。他の肉に比べて3~9倍にもなります。
他にも、ビタミン・ミネラルが豊富で、バランス良く栄養補給できます。
100gあたりの栄養素(もも)
・エネルギー 198kcal
・タンパク質 20g
・脂質 12g
タンパク質を多く含む食品は?魚類
マグロ
マグロは、高タンパク質の魚です。赤身は低脂肪で、脂肪にはオメガ-3という脂肪酸が含まれています。オメガ-3脂肪酸にはDHA・EPAが含まれ、脂肪燃焼やエネルギーの代謝を促進してくれます。
新陳代謝が促進されると、筋肉痛が軽くなるメリットも期待できます。
100gあたりの栄養素(びんなが・びんちょう)
・エネルギー 117kcal
・タンパク質 26g
・脂質 0.7g
タラ
冬の鍋にも、よく使われるタラ。淡白な味が魅力ですよね。高たんぱくで、消化吸収も良く、胃腸にも優しいので嬉しいお魚です。ビタミンDも豊富で、カルシウムの吸収も促進されます。カルシウムは筋肉の収縮・動きをスムーズにしてくれるので、タラは筋トレにも向いていますね。
100gあたりの栄養素(まだら)
・エネルギー 77kcal
・タンパク質 17.6g
・脂質 0.2g
サケ
サケの脂にも、オメガ-3脂肪酸が含まれているので、新陳代謝が良くなる期待ができます。また、血液をきれいにする作用もあります。
また、サケには、「アスタキサンチン」が含まれます。細胞を酸化させる「活性酸素」を除去する働きがあります。筋トレをすると活性酸素が増えますが、それを除去してくれるため、抗酸化作用もある魚です。
100gあたりの栄養素(べにざけ)
・エネルギー 138kcal
・タンパク質 22.5g
・脂質 4.5g
サバ
サバは、DHA・EPA含有量がとても多い魚です。DHAやEPAは脂にも多く含まれるので、皮も一緒に、「丸ごと」食べましょう。
その他にも、ビタミンB2、鉄分、ビタミンDなども含まれています。カラダに良いな栄養素がたくさんある魚です。
100gあたりの栄養素(ごまさば)
・エネルギー 146kcal
・タンパク質 24.8g
・脂質 5.1g
エビ
エビは、疲労回復に効果の高いタウリンが豊富に含まれています。その他には、活性酸素を抑えてくれるビタミンEも。筋肉の疲労をそのままにしておくと、筋肉が老化するとも言われています。エビを食べて、筋肉の老化を防ぎたいですね。
100gあたりの栄養素(あまえび)
・エネルギー 87kcal
・タンパク質 19.8g
・脂質 0.3g
その他にタンパク質を多く含む食品
高タンパク質の食品は、他にもたくさんあります。例えば、大豆。日本の伝統的な食品ですね。納豆や豆腐には良質なタンパク質が多く、脂肪も少ないです。
また、卵は、なんとアミノ酸スコアが100という優れた高タンパク食品です。筋トレする人も、とっている人は多いですね。
そのほかには、例えばカッテージチーズ。カッテージチーズは低脂肪で、カルシウムやビタミン入っています。
筋トレの目的に合わせた、効果的な食事メニュー
筋トレやカラダづくりも、人によって目指すゴールは違いますよね。ここから、目的別の効率的な食事メニューをご紹介します。
筋肉を大きくする・強くするのが目的
筋肉をしっかり付けたい場合は、高カロリーでもOKです。タンパク質と炭水化物を、たくさん摂りましょう!
1.和食
牛丼、カツ丼、とんかつ、肉野菜炒め、マグロ丼、唐揚げなど。肉料理を中心に、ガッツリ食べましょう。
2.洋食
ステーキ、ハンバーグ、ドリア、グラタン、パスタ、ピザなど。肉中心のメニューです。
3.中華
餃子、回鍋肉、青椒肉絲、チャーハンなど、肉の入った料理がオススメです。
カラダを引き締める・ダイエットが目的
筋肉を鍛えながら、カラダを引き締めたり、ダイエットしたい。そんな場合は、「高タンパク・低カロリー」なメニューでいきましょう!
1.和食
焼き魚定食、刺し身、焼き肉、生姜焼きなど。
2.洋食
鶏もも肉などのステーキ、ハムサンドなど。
3.中華
八宝菜、麻婆茄子、エビチリなど。中華料理はカロリーが高くなりがちなので、要注意です。量を減らしたり、野菜メインのメニューにしましょう。
外食でも、自分の体つくりの目標を考えて、少し気をつけてメニューを選べばOKです。
おすすめの食事の時間や注意点は?
トレーニングの後(夕食)
ずばり、ベストな時間は、筋トレをした後の、夕方の16〜18時頃です。昼食から十分に時間もたっていて、体内の消化活動も落ち着いています。でも、仕事をしていると、これは現実的に難しいですよね。その場合は、筋トレをする2時間ほど前に食事をしましょう。そうすれば、食事で取ったエネルギーを筋トレで使うことができます。
筋トレの後、すぐに食事ができない場合は?
トレーニングの後、すぐには食事をとれない場合もありますよね。そんな時は、疲労回復のために、栄養ドリンクやプロテインだけでも摂取しておきましょう。
疲労回復には、クエン酸が効きます。グレープフルーツなど柑橘系の果物の100%ジュース、アミノ酸入りスポーツドリンクなどがおすすめです。その他には、梅干し、豆乳、リンゴ酢なども良いです。
筋トレに良くない、3つのNGタイミングとは?
トレーニングをしている人は、毎日の中でのトレーニングの時間や食事の時間が、決まってくると思います。
とくにビジネスマンなど、忙しい毎日のなかで調整するのは、なかなか難しいですよね。
身体に負担をかけないように、良くない食事のタイミングを知っておきましょう。
ダメなタイミングその1 【食後すぐ】
食後に激しい運動をしたい人は少ないですよね。
食後の身体は、消化吸収のために、胃腸がよく働いています。その時にトレーニングをしてしまうと、胃腸よりも筋肉にエネルギーが回ってしまい、消化不良を起こしてしまいます。食後に走ったり運動をするとお腹が痛くなるのは、そのためです。
そのため、食後は、胃腸のためにエネルギーを使いましょう。食後から筋トレまで、2時間はあけるのが理想です。
ダメなタイミングその2 【空腹時】
筋トレには、糖質が必要です。糖質はエネルギーとして、筋肉を作ってくれます。ところが、空腹で筋トレをしてしまうと、筋肉に蓄えられているエネルギーを使ってしまうのです。筋肉が分解してしまい、筋肉が減ってしまうのです。
お腹が空いているときに筋トレをするのは止めましょう。
ダメなタイミングその3 【寝る前】
人には、「自律神経系」という、内蔵や血管などカラダの機能をコントロールする神経があります。「交感神経」と「副交感神経」があります。眠っている間は、副交感神経がよく働きます。副交感神経が活発(優位)になると、リラックスできているため、睡眠の質が良くなると言われています。寝ている間には、内臓の働きが良くなって、血管が開き血のめぐりが良くなり、ホルモンの分泌も良くる、と「良いことずくめ」なんです。副交感神経は、カラダを健康にしてくれるんですね。
逆に、筋トレをすると、交感神経が活発(優位)になります。交感神経はカラダを元気な状態にするので、眠りにくく、熟睡も難しくなります。成長ホルモンも十分に分泌されにくくなってしまうので、筋肉の発達にも良くない影響が出やすくなります。
寝る前に筋トレするのは、NGですね。
まとめ
筋トレや運動をした後は、栄養補給の仕方がとても大切です。疲れた筋肉を、上手に回復・成長させる必要があります。その際は、タンパク質と炭水化物を中心に、栄養バランスの良い食事を摂ることを心がけましょう。
お話したように、できればトレーニングの後、30分以内の「ゴールデンタイム」が理想です。遅くても、60分以内には、栄養の良い食事を摂りましょう。トレーニングの時以外でも、毎日の食生活では、栄養バランスが偏らないよう、野菜なども意識して摂ることも大切です。
タンパク質と炭水化物だけを中心に摂っても、他の栄養が不足していたら、カラダにとって良いことではありません。人間のカラダの仕組みは複雑で、さまざまな栄養素がお互いに影響したりサポートしているので、栄養バランスを整えることはカラダの機能を十分にすることにつながるのです。
せっかく頑張ってトレーニングするのであれば、その成果をできるだけ高くして、目標を達成したいですよね! ぜひ、良い食事を摂って、しっかり栄養補給して、理想のカラダを作り上げましょう!